振袖の美しさは着ている人の所作によって変わります。とはいえ、着物の作法がわからないというお嬢様は少なくありません。そこで、振袖での作法に関するお悩みを解消しましょう。成人式当日を想定して、立ち方や歩き方など基本的な7つの動作について解説します。成人式当日に困らないよう参考にしてみてください。
【振袖の作法1】立ち姿をマスターしよう
振袖で立つときは、「おなかに力を入れて背筋を伸ばす」のが作法です。背筋を伸ばして立つことで、着物の柄も引き立ちます。手は前で軽く重ね、足は内股気味で立つのがポイントです。片足を半歩後ろに引くとさらにいいでしょう。
写真を撮るときは、左側をカメラに向けるように立ちます。振袖は前身頃(左半身)に柄が集中しているので、華やかさを写真に残せるからです。お友だちとの写真撮影も大きなポーズは控えるのがいいでしょう。
【振袖の作法2】歩き方をマスターしよう
振袖で歩くときは、「おしとやかに内股気味に歩く」のが作法です。洋服のように大股で歩いてしまうと着崩れの原因にもなります。背筋を伸ばし、歩幅は小さく出しましょう。つま先をやや内股気味にするのがポイントです。
目線は正面に定め、お腹に力を入れると猫背にならずに歩けます。段差を移動するときは、裾を踏まないように軽く持ち上げ、目線は落として足元を見ましょう。
【振袖の作法3】座り方をマスターしよう
振袖で椅子に座るときは、「浅く腰掛けて、つま先を内股気味に揃える」のが作法です。背もたれは使わず、帯が触れないよう気をつけましょう。足裏は床に着け、背筋はピンと伸ばすのが基本の姿勢です。
座ったとき袖が地面につかないよう、まとめて膝の上に置いておきます。膝は閉じて、足先は軽く内股に揃えておきましょう。手は膝の上で重ねておくと美しく見えます。
【振袖の作法4】階段昇降をマスターしよう
振袖で階段の上り下りをするときは、「袖を地面につけないように気をつけ、大股にならない」のが作法です。段差に対して正面を向いてしまうと裾がはだけてしまうので、身体を少し斜めに向けて足を出すといいでしょう。
袖が地面につかないよう、両袖をまとめて片手にかけます。もう一方の手で裾を軽く持ち上げると足さばきの邪魔になりません。目線は足元に落とし、ゆっくりと動きましょう。優雅に見えるだけでなく、足元の安全を確保できます。
【振袖の作法5】車の乗り降りをマスターしよう
振袖で車の乗り降りをするときは、「腰をシートにおろしておこなう」のが作法です。頭から乗り込んだり、降りたりしないように気をつけましょう。乗るときは、最初に腰をシートにおろし、足を車に入れてから頭を車内に移動させます。降りるときは、シートに腰かけたまま、足先を外に出して身体の向きを変えてから頭を外に出しましょう。
どちららの場合も、ヘアアレンジが乱れないよう頭の位置に注意が必要です。また、足は揃えたまま動かすように意識すると、上品な動きになります。
【振袖の作法6】食事のしぐさをマスターしよう
振袖で食事するときは、「食べこぼしに気をつける」のが作法です。洋服とは動きが異なるので、食事がむずかしく感じるお嬢様も多く見られます。こぼさないようにするといいのですが、こぼしても汚さないように心がけると緊張せずに食べられるでしょう。ハンカチやタオルを胸元に挟んだり、ナプキンを膝の上に広げたりしておくと安心です。
乾杯のシーンでは袖がまくりあがらないよう、グラスを持っていない方の手で袖のたもとを押さえましょう。
【振袖の作法7】トイレの使い方をマスターしよう
振袖でトイレにいくときは、「着崩れや洗面での水撥ねに気をつける」のが作法です。慌てて着崩れてしまわないよう、時間に余裕をもってトイレにいくのも大切といえます。
トイレでは裾と袖の処理に気をつけましょう。袖は両袖を重ねて帯締めに挟むか、クリップでとめておきます。裾は振袖、長襦袢、裾よけの順番に1枚ずつ帯締めに挟んでいきましょう。
トイレが済んだら、1枚ずつ丁寧に戻します。手を洗うときは、袖が濡れないように両袖をまとめて帯締めにはさみ、水はねに気をつけましょう。
まとめ
振袖の美しさは着ている人の作法によって変化してしまいます。成人式で慌てないためにも、基本の動作に関する作法を学んでおきましょう。洋服とは違い、所作は小さく丁寧におこなうのが基本です。また、裾や袖の処理に気をつければ着崩れも予防できます。慣れてしまえば簡単なので、成人式当日は優雅な立ち振る舞いを披露しましょう。